浄化槽維持管理・浄化槽清掃
浄化槽を、正常に機能させるために清掃、保守点検、法定検査を受けなければなりません。浄化槽の清掃は、種類及び規模に応じて回数が定められています。怠ると、悪臭などが発生して本人も含めて付近の方も迷惑します。必ず行いましょう。
浄化槽の清掃とは、浄化槽内に生じた汚泥、スカム等の引き出し、その引き出し後の槽内の汚泥等の調整並びにこれらに伴う単位装置及び附属機器類の洗浄、掃除等を行う作業を言います。
浄化槽の保守点検とは、浄化槽全体の点検、運転状況の確認、装置の調整又はこれらに伴う箇所を修理して、浄化槽の正常な状態を維持する作業を言います。
浄化槽の法定検査とは、浄化槽管理者は、浄化槽を設置後に浄化槽法第7条の水質検査を都道府県知事の指定した指定検査機関による水質に関する検査を受けることになります。その後、浄化槽法第11条の定期検査は、保守点検及び清掃が適正に実施されてるかを判断するために、年1回行うものであり、都道府県知事の指定した指定検査機関が実施する作業を言います。
岡山県の場合、岡山県浄化槽実施要綱第4条 浄化槽管理者は浄化槽の状態を常に把握するものとするため、浄化槽管理者は、環境省関係浄化槽施行規則(昭和59年厚生省令第17条)第6条第4項に規定する駆動装置又はポンプ設備の作動状況の点検及び消毒剤の補給を、毎月1回以上行う必要があります。
浄化槽の仕組みを理解しよう!
浄化槽には代表的な処理方式として、「構造基準方式」と「性能評定方式」(製造メーカーが独自に設計)の2タイプがあります。いずれも微生物の働きで汚水をきれいな水にして放流します。
トイレや台所などから流された汚水は、まず嫌気ろ床槽へ。嫌気ろ床槽では、汚水中の浮遊物が取り除かれるとともに、ろ材の表面に付いた嫌気性微生物(酸素のないところで繁殖する微生物)が汚水に含まれる有機物を除いてくれます。
続いてもう一つの嫌気ろ床槽を通り、同じ処理を繰り返してから生物ろ過槽に入ります。生物ろ過槽では好気性微生物(酸素のあるところで繁殖する微生物)が有機物を除いてくれます。ブロワから送り込まれる空気中の酸素により、活発に活動します。
こうしてきれいになった上澄みの水は、塩素剤で消毒されてから放流されます。
有機物を食べながら増え続けた微生物は汚泥となって沈殿槽に沈みます。このように汚水が浄化されるということは、汚れの成分が水から取り除かれ、汚泥として浄化槽の中にたまることです。この働きを維持するために1年に1回以上清掃する(たまった汚泥を抜き取る)ことが必要です。
浄化槽を正しく使おう!
- 便器の掃除はぬるま湯を使い、塩酸などの劇薬を使用しないでください。便器の掃除の際、劇薬を使いますと、浄化槽内の大切な微生物が死んでしまいますので、十分に注意してください。
- トイレットペーパーのみ使用してください。新聞紙・たばこの吸いがら・紙おむつなどの異物は絶対に流さないでください。
- ブロアの電源は勝手に切らないでください。電源を切ると微生物が死んで処理ができなくなります。
- 浄化槽の上部または周辺には、構造物を設けないようにしてください。保守点検または清掃に支障を及ぼす恐れがあります。
上記事項は、浄化槽管理者が知っておく義務があります。
これらは、浄化槽法とこれに基づく各省令などで規定されています。